脳が変わる生き方

”脳を〜”シリーズでおなじみのPHP研究所の新刊.最近の茂木さんの講演を編集して作られた本ということで,内容的にはこれまでの”脳を〜”シリーズのダイジェストといった内容だと感じた.

茂木さんは言う,他人と比較することはやめて,あるがままを受け入れろと.偶有性は誰にでもあり,偶有性を楽しむことで人生は豊かになる.この先自分がどうなるかなんて誰にもわからない,だから悲観するなと.

誰もが少し抜きん出ようとし,ビジネス書が書店に大量に並び売れるこの競争社会でこのメッセージはどうなのかと,はじめは首を傾げた.しかし,たしかに私が目にしてきたスゴイ人たちは,他人のことなど気にせず,没我の境地でやるべきことに打ち込み,すばらしい成果を上げている.
茂木さんの言う生き方は間違ってないのかもしれないな.

色々とスランプ状態で,ネガティブ思考に陥ってた今日この頃ですが,茂木さんのメッセージを胸に,他人を気にせず,自分の好きなこと(選んだ道に)に没我していく所存です.

講演の元ネタはいくつか茂木さんのサイトにアップロードされているそうです.
http://d.hatena.ne.jp/pluteus777/20091204

以下,興味深かったフレーズ.

  • 今あるあなたは,遺伝子で決まっているのではなく,これまでの人生の中で出会ったさまざまな人々,あるいは感動した映画や強い影響を受けた本,そういうものとの巡り会いの総体として,今ここにある.
  • 教養の多様性は,創造性に結びつく
  • 根拠のない自信を持つ.他人と比較しない.劣等感を持たない.
  • いろいろと勉強して,知識も身につけなくてはいけません.でも,最後の最後は,答えはないということが,どれくらいわかっているか.これがわかっているかどうかで,人生は変わります.
  • 自分が何者かを決めつけないこと.自分に才能が無いとか,そんなことは決めつけないこと.もう一つは,人生何が起こるかわからないという,偶有性を楽しむということ.この二つさえあれば,人生は大丈夫です.
  • 自分が思ったことの中でも,何を言うかを,真剣に吟味する.言うことと言わないことを峻別する.
  • 脳には,オープンエンドという性質があります.「自分はこうだ」と決めつけなければ,いつまでも発展し続けることができる.
  • 偶有性を楽しんでいる状態の,最も高度なレベルとは,子供のときの遊びです.無我夢中になって,気がつくと日が暮れていたという,あの状態なのです.
  • 他人の心を読み取ることは,目に見えないものをありありと思い浮かべる想像力と関係している.そして,想像力を豊かにするためには,やはり総合的な学力が必要です.
  • 自分の人格を,ある種の作品として磨く.このことさえ心がけていれば,人間は,本当に心楽しい.

脳が変わる生き方

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